自宅用にLTO(Linear Tape Open)を導入する




TL;DR

自宅にテープドライブを導入してファイルをバックアップするまでのことを記録するよ。



LTOについて

概略

LTO(Linear Tape Open)とは、テープストレージの規格の一つ。
シーケンシャルリード・ライトしかできないためランダムアクセスには全く向かないものの、大容量化・長期保存が可能。(参照:JEITA LTO 7テープメディアの寿命評価
バックアップや重要データのアーカイブなどの用途で、金融機関、映像制作会社などで使用されています。(テープドライブはテープエアギャップと呼ばれる特徴があり、ランサムウェアに対するセキュリティ耐性があります。)

世代と世代間の互換性

LTOには世代があり、LTO-1〜8までが規格化済みです(2021年現在ではLTO-12までが予定されています。)。規格を表す数字部分が大きくなるにつれ、そこそこの転送レートと大容量化が図られています。(参照:Wikipedia
LTO規格は、一つ前の世代のRead/Writeの互換があり、二つ前の世代のReadのみ互換があります。(ただし、LTO-8はLTO-6に対しての互換性を持たないので注意)(参照:Wikipedia

ファイルシステム

LTO規格は、従来mtコマンドやtarコマンドを使用して制御していました。(Unix/Linux系OSでtarコマンドは圧縮ファイルの作成・解凍がメインで使用されていますが、本来はテープドライブのアクセスに使用していました)
しかし、LTO-5以降ではLTFS(Linear Tape File System)を使用することで、通常のストレージ(SSD/HDD)を扱うようにアクセスすることができます。そのため、Windows PCでは非常に簡単に扱えます。(ただし、ファイルシステム管理用の領域を必要とするため、本来使用できるデータ領域を圧迫するデメリットがあります)

必要なものを揃える

今回の構成を示します。
LTOドライブとSASアダプタはヤフオクを使って入手しました。
2021年夏現在、LTO-5のドライブは20,000円程度で落札できそうです。
Windows10で使用する場合、標準ドライバでSASアダプタ(DELL PERC H310)が使えるようです。
テープメディアと一緒にテープドライブのクリーナーも買っておきました。こちらは規格があっていればどこのメーカーのものでも問題ありません。メルカリで1,980円で購入しました。

H/W

  • PC(Ryzen 3600、Windows10 Pro)
  • LTOドライブ(HP AQ282K)
  • SASアダプタ(DELL PERC H310)
  • メディア(Quantum MR-L5MQN-01)

S/W


構築

設置

基本的にはこちらのブログを参照しています。
(写真を取り忘れたとか、手抜きとか、そんなことはないのです。)
このブログの差分のみ下記で残しておきます。

SASアダプタのF/Wアップデート

実は今回のLTOドライブ導入で、一番苦戦したのはここでした。
LTOドライブは、基本的にSASポートしか持っていません。そのため、SASアダプタが必要なのですが、PERC H310に搭載されているF/W(RAID BIOS?)は、512KBブロック転送ができません。そのため、HBA(ホストバスアダプタ)として使うことで、解決を目指します。

つまづいたポイント

最初こちらのサイトをベースに作業していました。これに従って作業すれば、SASアダプタのF/Wを削除することはできるのですが、UEFIのせいでF/Wの書き込みができません。(PALの初期化失敗による)
そのため、書き込みからは、UEFIを使ったF/Wの書き込みをしました。

対策(書き込みから)

今度はこちらのサイトをベースにしました。以下はその時の手順です。
  1. 上で作ったFreeDOSベースのブートUSBのファイル配置を以下の画像のように配置します。

  2. USBをPCに挿し、UEFIで起動します。起動後は以下の手順でUSBメモリをマウントします。
    1. 「map」でUSBメモリを見つける(Removable Diviceで見つかる。今回はfs3)
    2. 「mount fs3」
    3. 「cd fs3:」
    4. 「dir」で中身を確認。1.のファイルが見えたらOK
  3. 書き込みをします。
    1. 「sas2flash.efi -listall」
    2. 「sas2flsh -o -f 6GBPSAS.FW」
一応、エラーがなければこれで完成です。
※今回は、3-1のところで「SASアダプタのflashが空であるからF/Wを指定しろ」みたいなプロンプトがでたので、ここで6GBPSAS.FWを選択すると勝手に書き込みが開始しました。そのため、3-2は不要でした。

試用

大体60〜80MB/s前後でているようです。バックアップ用途なら問題なし。

深夜に使うのはなかなかうるさいかもですね。


その他

Twitter上にはもっとヤバ気な逸般の誤家庭に住まわれている方が多いのでまだまだですね。

なにか気になることがあれば@rosev838まで。

加筆修正していくかもしれません:D