FiiO X1 2nd gen. とUM MAVISカスタム


コストパフォーマンスに優れた入門ハイレゾデジタルオーディオプレーヤ(DAP)の代表格のFiiOから新しい低価格DAPのX1 2nd generationが発売になりました。

以前、Unique Melody MAVIS カスタムを注文し、届いた感想を書きましたが、今度はDAPの購入をしました。


※注意 個人的な感想であるため、あくまで参考程度にとどめておいてください。

なぜFiiOを選ぶのか

低価格DAPは数あれど、なぜX1 2ndを購入するに至ったのかということですが、1にも2にもコスパにあります。X1 2nd gen.はe-earphoneの価格で\17280です(2016/11/18現在)。ポイント分を差し引けば実質\15552となります。
以前のMAVISのレビューのときにAK320買いたいと書いていたのですが、早くオーディオ専用DAPがほしかったので以前から興味のあったFiiOのシリーズを購入してみることにしました。

まずこの価格で、ハイレゾに対応し、十分な駆動時間を確保している製品が候補でした。

FiiOのX1 1stとX5 2ndではTexas Instruments製のDACチップを使用し、音の傾向として解像度高めの冷たい感じの音がすると言われています。X1 1stやX5 2ndを視聴したとき、解像度があり硬めの音がすることは確認済みでした。今回もTI製のPCM5242が搭載され、これと同等以上の音質を期待しています。

また、ライン出力が可能であることが重要でした。後にアナログアンプで音質の調整を行える余地を残しておくことが重要でした。
音質傾向をガラッと変えるならば、DAC搭載アンプを外部に設置するほうが得策なのですが、X1にはデジタル出力がありません。上位機種のX3、X5、X7ではS/PDIF同軸出力が対応していますが、そもそも同軸対応のポータブルDACは少ないのであまり興味がありませんでした。(しかも同軸ケーブルのピンアサインは特殊で、冗長で接点が増える変換コネクタを通したくなければ自作ケーブルが余儀なくなります)

スペック

基本的なスペック表です。
  • 対応フォーマット FLAC/WAV/ALAC/APE/WMA
  • 対応フォーマット (16bit以下のみ) MP3/MP2/AAC/WMA/OGG/etc...
  • 出力 >90mW(16Ω) / >70mW(32Ω) / >8mW(300Ω)
  • S/N比 ≥113dB (A-weighted)
  • 歪み率 >0.003% @1KHz
  • ビットレート  16bit/24bit/32bit (32bitはWAVとAIFFのみ)
  • サンプルレート PCM [44.1/48/88.1/96/176.2/192KHz]
  • 適応インピーダンス  16Ω~100Ω
  • アウトプット ヘッドフォン/アナログライン(兼用)
  • メモリ用カードスロット microSD x 1基搭載 (最大256GB)
  • オペアンプ IC ISL 28291
  • DAC IC TI PCM5242
  • USB充電 microUSB 5V/500mA [5V/2A推奨]
  • バッテリー 内蔵リチウムイオンバッテリー [1800mAh]
  • 連続駆動時間 約12時間以上(再生ファイルにより変化)
  • 充電所要時間 約3時間 (5V/2AのACアダプタ使用時)
  • 外寸 55.5 × 97 × 12 mm
  • 重量 102g
参考:オヤイデ

DSD音源には対応していないようです。DSDファンはX5を購入するのが良さそうですね。私は殆どがCD音源で、たまにお気に入りをFLAC版ハイレゾで買うくらいなので十分なスペックです。
最大PCM音源で24bit/192KHz、32bit/96KHzであれば現在のハイレゾラインナップで困ることはないでしょう。

特徴

従来のX1とはいくらかの点で変更がなされています。
  • Bluetooth4.0に対応しよりポータブル用途として進化
  • シリーズ伝統のホイール操作のタッチパネル化

到着と開封 #Unboxing

寝起きすぐ午前中に到着を指定して玄関チャイムに起こされますが、この時ばかりは無理やり起こされるのが嫌ではありませんね。

見慣れたイーイヤのダンボールに包まれています。
イーイヤの箱


エアパッキンで包装されています。
エアパッキンに包まれた箱

化粧箱のお目見えです。
化粧箱


中の箱です。
中の箱


本体。
本体


内容物一覧。
内容物一覧
FiiOのカーボン調のシールも付属しています。正直これを使ってる人がいるのかわかりません。謎のこだわり、というべきでしょうか。

音の評価

試聴イヤホンにはUnique Melody MAVIS カスタムを使用しています。
SDカードはAmazonで買ったシリコンパワーのSDカードです。
イコライザなどは使っていません。

視聴に使った曲は以下の通りです。
いつも視聴に使う曲は多人数歌唱のアニソンと、個人歌唱のアニソン、大編成クラシックなどです。

  1. 青空Jumping Heart(ラブライブ!サンシャインより)
  2. MOMENT RING(ラブライブ!32bit wav版より)
  3. 灰色ノ町ヘ告グ(南條愛乃 「Nのハコ」より)
  4. プロヴァンスの風(響け!ユーフォニアムより Hi-Res版)
  5. Get Lucky(Daft Punk 「Random Access Memories」より Hi-Res版)
  6. Beethoven Symphony No.9
iPhone6sからの聴き比べです。

1.低音のドコドコと鳴っている感じがシャープになり解像度がよくなった感じです。iPhoneではボーカルが目立つ感じだったのが、全体的に明瞭になった感じです。

2.曲の頭でドラムシンバル(?)のシャリシャリした感じが印象的な出だしですが、iPhoneより明らかにすっきりとしており、キレがあります。この辺りは純粋にハイレゾ対応の機種の恩恵でしょうか。

3.MAVISを購入するときに試聴に使った曲でもあるのですが、iPhoneで聞くとバンドが引っ込んでいてボーカルが前に出てくる感じです。X1ではバンドもある程度前に出てきました。曲全体に元気がある感じです。

4.iPhoneではトランペットあたりの音が前に出てる感じです。X1では全体的にバランスよく聞こえます。ハイレゾらしいシャープな音色だと思います。

5.ギターやシンバルの切れがいいです。最初のファレルが歌い始める「Like the legend of phoenix...」の部分がX1よりiPhoneのほうが自然に聞き取れる感じでした。おそらくiPhoneで長く聞いていたため慣れているだけかもしれませんが。それ以降の「We've come too far...」はX1のほうが聞き取りやすかった気がします。

6.第4楽章の合唱部分とオーケストラですが、オーケストラのメリハリがよかったです。iPhoneではぼやける印象がありました。


全体的にiPhoneより明瞭になっており、ハイレゾ対応機種としての性能が音に表れている感じです。確実にiPhoneからのステップアップとしての役割は果たせそうです。

気になったところ

幾つか気になる点はあります。
  • タッチ式ホイール操作は以前の物理ホイールと変わりないくらいの操作感(良くも悪くも似ている。回していて行き過ぎたりする感じは似ている。できればマットタイプの保護シートを使って滑りをよくするとよいかもしれない)
  • 画面が完全なスクエアでないため、サムネイルの下が2割位見切れてる(以前と同じ)
  • 全面が光沢のある面なので指紋が目立つ
  • 海外輸入品は安いが、技適の問題があるから買わない方が良い(公式赤字の文章参照:FiiO X1 2nd)
  • やはりプレイリストの作成は面倒くさい。早急にPCで作る方法を試す必要がある
  • wav版の32bit音源が何故か再生できない。wav版からfoobar2000で作成したAIFFでは再生できた(調査中)
  • 曲の始まりに一瞬音がならない現象、曲終わりにノイズが乗る現象あり(ブログ公開後追記)

総評

ワイヤレスイヤホンがないため、Bluetoothの機能を試すことはできませんでした。

気になっていたタッチパネルですが、なんとも評価し難いです。物理的なホイールと比べて耐久性が高まる可能性はあるかもしれませんが、操作感に関してはあまり向上した印象は受けませんでした。個人的には回転による操作だけじゃなく、上下左右の操作ができると移動の際調整が効くと思います(FiiOさんお願いします!!)。

まだまだ上を見れば音質は限りないのですが、とりあえず満足いく音でした。
純粋にハイレゾ対応なのでその差が顕著に表れた感じだと思います。
MAVISではVol.30台の音量で十分でした。

X1 1stを所有していないため買い替えの需要が満たせるのかわかりません。単純にハードスペックは向上しているようなのでその点に魅力を感じる方ならよいでしょう。あとは、価格がこなれるのを待つばかりですね。